俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

あやしいひかり

やることが多すぎて混乱している。
このままではまずいので、少し整理しておきたい。
一旦立ち止まって現状をきちんと把握することはとても大事。

この4月から所属結社「田」の会計となった。
その引き継ぎや慣れない業務にばたばたとしている。
けれど4月を乗り切れば少しは落ち着くことだろう。

もうすぐ息子氏も始業式を迎え、新しいクラスでの学校生活がはじまる。
しかし学校へ行けていない息子氏なので、新学期がはじまってどうなるかは全くわからない。
担任の先生も変わると思うし、クラス替えもあって環境も大きく変わるだろうし。
その「まだどうなるかわからない」という状態は非常に不安である。
本人というより、親のわたしが。
けれど学校が始まってしまえば少しは落ち着くことだろう。

現状、大きな心配事はこの2つで、あとは粛々とこなしていけば大丈夫だと思われる。
結社誌ではじまる連載原稿が書き終わらないだとか、某俳句賞への応募作品がなかなかまとまらないだとか、それは自分が頑張ればなんとかなること。
こう書き出してみると、少し視界がクリアになったような気がして心がすっきりする。
忙しいのは仕方がないしみんな同じなので、ぐちぐち言わずにどんどん取り掛かるべきだろう。

多忙な時ほどやりたいことは増えていくもので、休憩時間には断捨離とガーデニングを頑張っている。
家の乱れは心の乱れ。
そもそもわたしは専業主婦なわけで、家事を頑張るのは当たり前といえば当たり前か。

新年度がはじまり、なんだかみんな慌ただしく動いているなあと感じることが増えた。
みんな、壊れないようにだけ気をつけて、心大事に踏ん張ってね。

 

<句会カウンター2024>4/3現在

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ウマ新聞3月号配信スタート!

3月の競馬夜咄で配布しました「ウマ新聞3月号」の配信スタートしました!

 

 

セブンイレブンネットプリント
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ギガファイル便ダウンロード
xgf.nu/RXHxC

 

今月のテーマは「ゴールドシップ」です。

 
大変盛り上がった競馬夜咄のゴールドシップ回。
ゴールドシップが多くの人に愛される理由が見えてくる、そんな新聞となっています。
内野義悠(炎環)、鈴木総史(群青・雪華)、笠原小百合(田)の3名の執筆したエッセイ&新作一句をどうぞお楽しみください!
 

<句会カウンター2024>3/25現在

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無心に馬を見る TCCクラウドファンディングを応援したい!

最近の心の状態があまりよろしくない感じなので、無心に馬を見る。
日本で「馬を見る」のに一番手っ取り早いのは競馬中継だろうか。
土日はもちろん地方競馬であれば平日も、365日競馬が行われているわが国。
今はレース映像の配信も盛んになっており、いつでもどこでも競馬が楽しめる。
人馬が懸命に走る姿を精神安定剤としている人はそう多くないかもしれないが、昔よりはずっと増えたと思う。
馬と人との距離は一昔前よりぐっと近くなっているように感じている。
それはわたしが周囲に競馬ファンがいる環境にあるからかもしれないが、競馬をただのギャンブルとして捉える人はぐっと減ったような体感がある。
ギャンブルとして捉えることを否定しないし、その側面も確かにあってそれは大事なことだとわたしは思っているが、今の競馬ファンはもっと馬券に、競馬にロマンを感じているような気がしてならない。
それは今や一大ムーヴメントとなっている「ウマ娘」の影響もあるのかもしれない。

「馬を見る」のは何も競馬でなくても良い。
けれども今の日本ではふらっと馬を気軽に見に行ける場所はなかなか見つからない。
馬に乗らないのに乗馬クラブへ通うわけにもいかないし、動物園ではなんとなく距離を感じてしまう。
そうだ、わたしが見たいのは「馬と人の営み」なのだ。
もっと間近に馬と人との結びつきを感じられたら。
それを強く感じられるのが、引退競走馬とのふれあいなのかもしれない。

引退競走馬の支援活動は、馬業界でも今とても注目されている分野だ。
その是非も含めて、様々な意見が飛び交っているが、わたしは引退競走馬の幸せを願っているし、一頭でも多くの馬が余生を穏やかに過ごしてくれたらと思っている。
現在は2頭の引退競走馬の一口馬主(で正しいのかな?)となり、毎月の愛馬たちの報告を楽しみにして過ごしている。
しかし、毎月の支援が難しい場合もあるし、そう気軽に出来ることではない。
できればもっと身近に馬を感じられる、誰もが気軽に会いに行ける場所があればと常々思っていた。

そんなときに、わたしも会員となっている「TCC引退競走馬ファンクラブ」を運営しているTCC Japanさんのクラウドファンディングが開始された。
このクラウドファンディングで作ろうとしている観光養老牧場は、まさにわたしが思い描いている理想の場所だ。
東京から距離はあるが、完成したらぜひ定期的に通いたいと思うほど魅力的。
すでに僅かながら支援済みだが、まだまだ支援の手は必要である。
観光養老牧場の詳細は、クラウドファンディングのページをぜひご覧になっていただきたい。
代表の山本さんの熱い思いがそこには綴られている。

どうか少しでも引退競走馬の支援活動に興味がある方は、クラウドファンディングのサイトを覗いてみて欲しい。
いつか馬を気軽に近くで見られる、感じられる場所が日本各地に出来ることを願って。
その一歩を踏み出そうとしているTCC Japanさんの取り組みを応援していきたい。

 

camp-fire.jp

 

 

<句会カウンター2024>3/10現在

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笠原小百合 記

浅川芳直句集『夜景の奥』感想「描き足していく地図」

 若手と呼ばれる俳人が評されるとき、その句の瑞々しさに注目されることが多い。「若くてフレッシュな句」がその俳人の年齢という情報から余計に強く印象に残るというのもあるだろう。第一句集『夜景の奥』をご上梓された浅川芳直さんも所謂若手と呼ばれる括りの俳人で、『夜景の奥』が瑞々しい句群から成ることは間違いないだろう。

 

 自転車を降りる呼吸や祭なか

 雨あがるひかり氷菓の封を切る

 改札を別れ梅雨入り前の星

 息切れのあと雄弁にグラジオラス

 手袋に切符一人に戻りたる

 晩秋のくちびる渇ききる目覚め

 風信子明日の雨にしづみさう

 人白くほたるの森へ溶けきれず

 

 しかし、瑞々しさだけではない。句群は浮ついたところがなく、どっしりと落ち着いている。安心感や安定感と言ってもよいだろう。その一見両立が難しそうにも思える「瑞々しさ」と「安定感」の同居こそが芳直俳句の魅力だと筆者は考える。

 

 満開のさくらを背なに地下へ入る

 缶チューハイ一本を守る砂日傘

 論文へ註ひとつ足す夏の暁

 うす雲の中に浮く雲不死男の忌

 一本は海に吼えたる黄水仙

 にんじんの皮のはらりと敗戦日

 夜の靄を動かしてゐる百合の群

 雑煮椀どかと座したる遺影かな

 一苑の枯を進むる日のぬくみ

 

 作者は俳句と長らく生活を共にしてきた。はじめて俳句を詠んだのは幼稚園年中時の五歳のときだという。しかし一緒に過ごす時間が長ければ良いというのものでもない、というのが俳句である。作者は長い時間をかけて俳句と友好的な関係を築いてきたのだろう。俳句がただ型を身につけて俳句らしい俳句を作ることを良しとする文芸であれば、時間をかければある程度の人間はそのレベルに到達できる。しかしそうではないのだ。作者は俳句と二人三脚で歩みを進めつつ、自分の表現というものを今も追求している。そんな作者と俳句との信頼関係を感じることの出来る『夜景の奥』は、俳人・浅川芳直の辿ってきた道を示した地図のようにも感じる。そしてこれからは地図を新しく描き足していくのだろう。浅川さんには最終目的地が見えているのだろうか。自身の地図を手に歩んでいく浅川さんのこれからを句友として見守れることは非常に光栄である。

 

tokyoshiki.co.jp

 

 最後に、筆者が吟行を共にした際の句を引用したい。

 

 甚句平らか夏雲の平らかに

 武者振ひ落としし馬の冷やさるる

 

 前書きに「野馬追 雲雀ヶ原二句」とある。福島の相馬野馬追の吟行は、とにかく暑さとの戦いだった。暑さで頭も上手く働かない中、浅川さんはこれだけ鮮明に景を捉えていたということに驚いたのを覚えている。筆者が野馬追に誘っていなかったらこの二句は詠まれることはなかったと思うと、少し誇らしい気持になる。浅川さん、野馬追の句を句集に収めて下さり、ありがとうございました。

 

笠原小百合 記

俳人協会評論講座の動画を視聴しました

今日は俳人協会評論講座の動画を視聴しました。
講師は小澤實先生、坂本宮尾先生。進行は角谷昌子先生。

内容は実際の評論の書き方について、かなり具体的に踏み込んだものでした。
非常に参考になったし、やる気も出ました。

まず、よく読む。そして、自分で考える。
鵜呑みにしない。

自分の言葉を大切に、これからも評論と向き合っていきたいです。

 

youtu.be

 

大変なときこそ、没頭できる夢中になれる何かがあることが大切なのかも。
わたしもただつらいしんどいと喚くのではなく、その喚くだけのパワーを他に向けてみたい。
とか言いながらCIVILIANを聴いて救われようとしている現実よ。浅はかでごめん。

 

<句会カウンター2024>3/7現在

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吟行 6
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【告知】「写真と言葉展」に参加します。3/10(日)~3/23(土)

千駄木にあるGallery 幻さんの企画展に参加します。

写真と言葉展 詩のように撮り、写真のように紡ぐ
https://cafegallerymaboroshi.com/20240310.html

 

競馬夜咄を一緒に開催している内野義悠さんと出展します。
写真と俳句の作品を展示予定です。
ぜひ足を運んでいただけましたら嬉しいです。

 

会期  2024年3月10日(土)~3月23日(土) 12:00~19:00

休業日 12(火)・13(水)・18(月)・19(火)

会場  Gallery幻

 

久しぶりの幻さんでの展示、とても楽しみです。
今回の展示のテーマを「俳句」という切り口で表現するとどうなるのか。
俳句に出来ること、俳句の本質など、自分の考えを深めていく機会にもなっています。
引き続き、作品制作がんばります。

 

笠原小百合 記

ウマ新聞2月号ネプリ配信スタート!

2月の競馬夜咄にて配布した「ウマ新聞 令和6年2月号」のネプリ配信がスタートしました!

セブンイレブンネットプリント、もしくはギガファイル便の無料ダウンロードをご利用いただけます。

 

 

セブンイレブンネットプリント番号
52472643

 

ギガファイル便 無料ダウンロード
https://xgf.nu/4Un02

 

今月のテーマは「ダート競馬の魅力」です。
内野義悠さん、鈴木総史さん、笠原小百合の3名の競馬エッセイ&競馬俳句を掲載しています。

ピックアップ名馬は「ノンコノユメ」です。
可愛らしい名前の競走馬ですが、実に熱いG1制覇を遂げています。

ぜひお手にとっていただけますと嬉しいです。
よろしくお願いいたします!

 

笠原小百合 記