俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

第9回星野立子賞、星野立子新人賞が発表になりました

角川俳句3月号誌上にて、第9回星野立子賞、星野立子新人賞が発表となりました。

 

星野立子賞は藤本美和子さん『冬泉』が受賞。

星野立子新人賞、男性部門は吉田哲二さん「鍔焦がす」、女性部門は篠崎央子さん「家伝」が受賞されたとのことでした。

受賞されたみなさま、おめでとうございます!

 

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星野立子新人賞を受賞されたお二人は句会をご一緒させていただいているので、本当に嬉しいです。

篠崎央子さんは俳人協会新人賞に続いての受賞ですね。

ご活躍が嬉しく頼もしくもあり、また大いなる刺激となっています。

 

実は今回はじめて星野立子新人賞に応募していました。

全力を出し切れた作品だったので、受賞はなりませんでしたが挑戦してみて本当によかったです。

目標に向かって句をまとめることは、自己を省みることが出来て大きな学びを得ることが出来ました。

自分の現時点での力を客観視することも出来て、今後の課題も見えてきました。

そういった意味でも、受賞に至らなくとも、今後も継続して応募していきたいと思います。

 

もっと俳句と向き合いたい。

もっともっと俳句と一緒で在りたい。

そんな思いの強まった星野立子賞、星野立子新人賞の発表でした。

 

笠原小百合 記

【田ブログ更新】ふらりと梅見

所属結社「田」のブログ記事を書きました。

 

ameblo.jp

 

ちょっと今メンタルが非常に落ち込んでいる状態なのですが、ブログでも書いて元気だそうかなといった感じで書いてみた次第です。

みなさんにも美しい梅をお見せできればという思いももちろんあります。

もっと上手に梅林が撮れればよかったのですが……。

写真は昔趣味で撮っていて個展を開いたりもしていたのですが、ここ数年は真面目にカメラに触っていないので反省しています。

 

続けるって本当に難しいことです。

出来ることならば俳句はずっとずっと死ぬまで続けていければと思っています。

そのためにも心身ともに健康でいたいですね。

まずは焦らずゆっくり回復出来たらと思います。

このブログも少し不定期更新になるかもしれませんが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

笠原小百合 記

季語レース紹介【3】「フリージア賞」

俳句に欠かせない、季語。

春であれば「冴返る」「亀鳴く」「春眠」などが季語になります。

 

この連載では競馬大好き俳人である筆者が、季語の使われている競馬のレース「季語レース」をご紹介していきます。

 

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今週取り上げる季語レースは、フリージアです!

 

 

フリージア賞とは

フリージア賞は、3歳1勝クラスの特別競走です。

東京競馬場・芝2000mで行われます。

クラシック戦線はもちろん、今後の活躍を占うという意味でもここは勝って次へのステップとしたいところです。

 

季語:フリージア

フリージア賞の由来である「フリージア」は春の植物の季語です。

アヤメ科の多年草で、原産地は南アフリカ

オランダで品種改良され、白・黄・赤・ピンク・紫など様々な色の花で春を彩ってくれます。 

傍題として「香雪蘭」という名もあるように、芳しい香りを放ちます。

また同じく傍題には「浅黄水仙」とも。

フリージアの葉が細長く水仙に似ているため、このような名がつけられたようです。

 

吸入やみつめどほしのフリージヤ 石田波郷 

次に、「フリージア」の句をご紹介します。

吸入やみつめどほしのフリージヤ〉という石田波郷の句です。

この句は石田波郷のその生涯を踏まえて鑑賞すべきだと思うのですが、今回は句と作者を切り離して読んでみようと思います。

「吸入」はネブライザーをイメージしました。

機械からある程度長い時間の「吸入」が必要な状態の作者は、吸入の間、ずっとフリージアを見詰めていました。

病を抱えた作者の目には、明るく華やかに咲くフリージアはどんな風に映っていたのでしょうか。

「吸入や」とはっきり切れがあることで、重くのしかかる現実を突きつけられているような気持ちになります。

また、中七がひらいて書かれていることは、無気力、思考停止状態ともとれます。

病を受け入れたのか、それとも抗う気ももう奪われてしまったのか。

作者の心中を思い己の無力さに胸を痛めるばかりですが、下五の「フリージア」が希望の光のように感じられ、最後に輝いて見えてきます。

 

過去の優勝馬トリコロールブルー

フリージア賞過去の優勝馬の中からトリコロールブルーについて書きます。

 

トリコロールブルーがフリージア賞を勝ったのは2017年。

今年で7歳となりましたが、現在も現役競走馬として活躍しています。

青鹿毛という毛色の馬で、その綺麗な馬体にはいつも見惚れてしまいます。

父は私の大好きなステイゴールドということで、もちろんトリコロールブルーも大好きな馬です。

しかし、シルバーコレクターの父の血を濃く継いでしまったのでしょうか。

トリコロールブルーもなかなか勝ち切ることが出来ず、戦績を見ると2、3着が多いです。

現役競走馬としての残り時間は、もうあまり残されていないはずのトリコロールブルー。

1勝の難しさは十分にわかっているつもりではいますが、最後に悲願の重賞制覇をさせてあげたい気持ちでいっぱいです。

次走は3月7日の大阪城ステークスを予定しているとのこと。

過去にも出走し、1着、2着と結果を残している舞台なので期待しています。

残り数少ないステイゴールド直仔の活躍を信じ、これからも見守っていきたいと思います。

 

2021年フリージア賞注目馬

今年のフリージア賞の注目馬は、スウィートブルームです。

出馬表と長いことにらめっこをして考えてみたのですが、正直この時期の3歳馬のレースは予想が難しい!

そこで、父がゴールドシップであるスウィートブルームに注目してみました。

もちろん、ゴールドシップの父が私の最愛馬であるステイゴールドであるという理由からです(笑)

ここまで3戦してすべて3着以内というのも魅力ですし、良馬場でも不良馬場でも安定して力を発揮できるタイプなのかなと思っています。

でも父のことを考えると渋った馬場の方がもしかしたら得意なのかもしれないですね。

デビューから騎乗し続けている柴田大知騎手とも手が合っているのかもしれません。

レースでは先行出来るかどうか、位置取りが鍵になりそうです。

 

素質馬の揃ったレースとなりましたが、決して見劣りはしないと思います。

フリージア賞、スウィートブルームを全力応援します!

 

笠原小百合 記

そうだ、評論を書こう。

書こう書こう、書きます書きますと言い続けてきた評論をついに書こうと思う。

書こうと思う、ではないな。

書きます。

 

と言っても、評論は書こうと思い立っていきなり今日から書き始められるようなものではないことはわかっているつもりです。

なので、まずは資料の読み込みを進めていこうと思います。

 

元々すごく書きたいテーマがあり、書きたい気持ちはずっと持っていました。

けれど、今までは色々な理由をつけて後回しにしてきたわけです。

でも、いますぐ評論執筆に向けて動きはじめないと後悔しそうだなと思い直しました。

 

それは、もしかしたら昨晩の大きな地震が関係しているのかもしれません。

この記事を書きはじめるまではそんなことちっとも気づいていなかったけれど、多分そう。

本当にやりたいこと、やっておきたいことは優先してやるべきだろうな、と。

いつ何が起こるかわからないのが人生です。

後悔の全くない人生とは言いませんが、後悔はなるべく少なく、この命を使い切りたい。

そのためにも、人生におけるひとつの大きな目標でもある「俳句の評論を書く」ということに挑戦してみようと思います。

 

ということで、本日のブログは決意表明でした。

 

笠原小百合 記

麻酔から醒めたる猫へ梅の花

麻酔から醒めたる猫へ梅の花  笠原小百合

 

昨日は愛猫じゃすの手術日でした。

 

sayuri0311.hatenablog.com

 

腎臓がひとつしか機能していないことが判明したじゃす。

麻酔の量を少なくしてなるべく腎臓に負担をかけないようにと、乳腺の腫瘍とその周辺のみを切除する手術をしました。

昨日はとにかく不安で不安で。

じゃすが麻酔から醒めなかったらどうしようか、いやそんなことを考えるのはよくない、と葛藤していました。

 

掲句は、じゃすを病院に預けたその帰り道に出来た句です。

どうして梅の花かというと、こんな出来事があったからです。

 

 

じゃすが無事に麻酔から醒めて、元気に帰ってくるように。

そんな願いを込めて詠みました。

 

今日、じゃすは無事に退院することが出来ました。

エリザベスカラーがつらそうですが、そこは外してあげたい気持ちをぐっとこらえて、じゃすが生活しやすいように部屋を片付けました。

ごはんも少しですが食べられて、いつもの場所で伸びて眠っているので少し安堵しています。

これからのことを考えると不安はありますが、一緒に居られる時間を今まで以上に大切にしていきたいと思います。

まだまだたくさん、じゃすの句を詠んでいきたいです。

 

笠原小百合 記

季語レース紹介【2】「こぶし賞」

俳句に欠かせない、季語。

春であれば「早春」「山笑ふ」「猫の恋」などが季語の一例として挙げられます。

 

この連載では競馬大好き俳人である筆者が、季語の使われている競馬のレース「季語レース」をご紹介していきます。

 

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今週取り上げる季語レースは、こぶし賞です!

 

 

こぶし賞とは

こぶし賞は、3歳1勝クラスの特別競走です。

桜花賞と同舞台の阪神競馬場・芝1600mで行われます。 

クラシックレースを目指す馬たちが賞金加算のために出走してくることが多いです。

 

季語:辛夷

「こぶし」は漢字では「辛夷」と表記されることが多いです。

日本原産のモクレン科の落葉高木で、木蓮に似た白色の花を咲かせます。

仲春の植物の季語で、「木筆」と書くこともあります。

蕾が拳に似ているので「こぶし」という名となったという説をよく耳にします。

呼び名が多いので「山木蘭」「幣辛夷」「やまあららぎ」「こぶしはじかみ」「田打桜」など傍題も多めです。

 

わが山河まだ見尽さず花辛夷 相馬遷子 

次に、「辛夷」の句をご紹介します。

わが山河まだ見尽さず花辛夷〉という相馬遷子の句です。

ふるさとの風景を眺めていると、見慣れたその中にも毎回発見があります。

「わが山河」は作者の故郷とも、この国全体ともとれるように思います。

何度も巡ってくる季節の中で「花辛夷」を見つけられるように、まだまだこの世界を見尽すことはない、という内容の句だと筆者は解釈しました。

「花辛夷」の柔らかな白さから、「まだ見尽すことが出来ていない」というマイナスの感情ではなく、作者はあくまで前向きな姿勢でいることを伝えてくれます。

「まだ見尽さず」にいる世界、これから見ることの出来る景色のことを考えると、なんだかわくわくしてきますよね。

 

過去の優勝馬オリエントチャーム

今回はこぶし賞の過去の優勝馬の中からオリエントチャームのことを記します。

 

 2017年にG1・マイルチャンピオンシップを勝利したペルシアンナイト。

その母としてオリエントチャームの名を再び耳にしたとき、懐かしい記憶が甦りました。

オリエントチャームゴールドアリュールの全妹ということで現役時代に注目していた1頭でした。

ゴールドアリュールはダートの王者でしたが、オリエントチャームはすべてのレースで芝を走っています。

デビュー戦、こぶし賞を勝利したものの春のクラシックへの出走は叶わなかったのですが、秋の大一番、秋華賞へ出走。

11番人気ながら4着と健闘しました。

2006年のマーメイドステークスでは、ソリッドプラチナムの3着に入ったことも記憶しています。(もしかしたら馬券が当たったのかもしれません。それで覚えているのかも)

調べてみたら、マーメイドステークスのときも11番人気でした。

人気薄のときに上位に食い込む姿が特に印象に残っていたのかもしれません。

 

2021年こぶし賞注目馬

今年のこぶし賞は、シャドウエリスに注目しています。

前走の赤松賞は4着でしたが、内容は決して悪くないと思いました。

お母さんのパールシャドウが好きだったので、応援したい気持ちもあります。

新馬戦勝ちを収めているヤマニンルリュールも気になりましたが、今回がデビュー2戦目ということで少し様子を見たいところ。

2番手として推したいと思います。

 

笠原小百合 記

特設展『飯田龍太展 生誕100年』(山梨県立文学館)に行きたいお話

現在、山梨県立文学館では『飯田龍太展 生誕100年』という特設展が開催中です。

 

youtu.be

 

飯田龍太山梨県に生まれ育ち、生涯のほとんどを山梨で過ごした俳人です。

 

水澄みて四方に関ある甲斐の国

大寒の一戸もかくれなき故郷

一月の川一月の谷の中

 

など、多くの句が現在も広く愛されています。

 

飯田龍太の自宅である『山廬』は山梨県笛吹市境川町にあります。

実はわたしの母方の祖母の生家も同じ境川町にあるとのことで、飯田龍太は勝手に親近感を覚えている俳人なのです。

 

わたしは栃木県出身ですが、母が里帰り出産をしたため甲府市内の病院で産まれました。

中学生くらいまでは毎年お盆とお正月に山梨へ行っていたので、とても親しみを感じる土地です。

何故か昔から山梨に心惹かれている自分が居てずっと不思議に思っていたのですが、飯田龍太、その父である飯田蛇笏の暮らした土地だということで、もしかしたら俳句に呼ばれていたのかなあ、などとそんなことをつい考えてしまいます。

山梨は、わたしの第二の故郷と言っても過言ではないかもしれません。

 

特設展のために山梨へ行くのは現状では少し難しいのですが、今一番行きたい展示です。

貴重な資料が揃っていると思いますので、お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

www.bungakukan.pref.yamanashi.jp

 

俳句をはじめてから山梨へ行く機会があまりなく、山廬を訪れたことがないので色々と落ち着いたらぜひ行ってみたいと思います。

 

笠原小百合 記