俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

季語レース紹介【3】「フリージア賞」

俳句に欠かせない、季語。

春であれば「冴返る」「亀鳴く」「春眠」などが季語になります。

 

この連載では競馬大好き俳人である筆者が、季語の使われている競馬のレース「季語レース」をご紹介していきます。

 

f:id:sayuri0311:20190907154314j:plain

 

今週取り上げる季語レースは、フリージアです!

 

 

フリージア賞とは

フリージア賞は、3歳1勝クラスの特別競走です。

東京競馬場・芝2000mで行われます。

クラシック戦線はもちろん、今後の活躍を占うという意味でもここは勝って次へのステップとしたいところです。

 

季語:フリージア

フリージア賞の由来である「フリージア」は春の植物の季語です。

アヤメ科の多年草で、原産地は南アフリカ

オランダで品種改良され、白・黄・赤・ピンク・紫など様々な色の花で春を彩ってくれます。 

傍題として「香雪蘭」という名もあるように、芳しい香りを放ちます。

また同じく傍題には「浅黄水仙」とも。

フリージアの葉が細長く水仙に似ているため、このような名がつけられたようです。

 

吸入やみつめどほしのフリージヤ 石田波郷 

次に、「フリージア」の句をご紹介します。

吸入やみつめどほしのフリージヤ〉という石田波郷の句です。

この句は石田波郷のその生涯を踏まえて鑑賞すべきだと思うのですが、今回は句と作者を切り離して読んでみようと思います。

「吸入」はネブライザーをイメージしました。

機械からある程度長い時間の「吸入」が必要な状態の作者は、吸入の間、ずっとフリージアを見詰めていました。

病を抱えた作者の目には、明るく華やかに咲くフリージアはどんな風に映っていたのでしょうか。

「吸入や」とはっきり切れがあることで、重くのしかかる現実を突きつけられているような気持ちになります。

また、中七がひらいて書かれていることは、無気力、思考停止状態ともとれます。

病を受け入れたのか、それとも抗う気ももう奪われてしまったのか。

作者の心中を思い己の無力さに胸を痛めるばかりですが、下五の「フリージア」が希望の光のように感じられ、最後に輝いて見えてきます。

 

過去の優勝馬トリコロールブルー

フリージア賞過去の優勝馬の中からトリコロールブルーについて書きます。

 

トリコロールブルーがフリージア賞を勝ったのは2017年。

今年で7歳となりましたが、現在も現役競走馬として活躍しています。

青鹿毛という毛色の馬で、その綺麗な馬体にはいつも見惚れてしまいます。

父は私の大好きなステイゴールドということで、もちろんトリコロールブルーも大好きな馬です。

しかし、シルバーコレクターの父の血を濃く継いでしまったのでしょうか。

トリコロールブルーもなかなか勝ち切ることが出来ず、戦績を見ると2、3着が多いです。

現役競走馬としての残り時間は、もうあまり残されていないはずのトリコロールブルー。

1勝の難しさは十分にわかっているつもりではいますが、最後に悲願の重賞制覇をさせてあげたい気持ちでいっぱいです。

次走は3月7日の大阪城ステークスを予定しているとのこと。

過去にも出走し、1着、2着と結果を残している舞台なので期待しています。

残り数少ないステイゴールド直仔の活躍を信じ、これからも見守っていきたいと思います。

 

2021年フリージア賞注目馬

今年のフリージア賞の注目馬は、スウィートブルームです。

出馬表と長いことにらめっこをして考えてみたのですが、正直この時期の3歳馬のレースは予想が難しい!

そこで、父がゴールドシップであるスウィートブルームに注目してみました。

もちろん、ゴールドシップの父が私の最愛馬であるステイゴールドであるという理由からです(笑)

ここまで3戦してすべて3着以内というのも魅力ですし、良馬場でも不良馬場でも安定して力を発揮できるタイプなのかなと思っています。

でも父のことを考えると渋った馬場の方がもしかしたら得意なのかもしれないですね。

デビューから騎乗し続けている柴田大知騎手とも手が合っているのかもしれません。

レースでは先行出来るかどうか、位置取りが鍵になりそうです。

 

素質馬の揃ったレースとなりましたが、決して見劣りはしないと思います。

フリージア賞、スウィートブルームを全力応援します!

 

笠原小百合 記