先週の土曜日のこと。
急に思い立って、映画館へ行った。
『PERFECT DAYS』という映画を観るために。
とても良かった、と色々な人からの噂が流れてきて、
気になるし、なんか良さそうだし、行ってみようか。
そんな気軽なノリで、ストーリーもろくに調べず、久しぶりの映画鑑賞だった。
地元の映画館では上映されておらず、池袋の大きな映画館へ行った。
上映は恐らく一番小さなシアター。
しかし、次から次へと観客がやってきて、あっという間に満席に。
やはりわたしのように噂を聞きつけて観に来た方々なのだろうか。
客層はご年配の二人組が多く、落ち着いた雰囲気での上映となった。
映画は、役所広司さんの演技が特に素晴らしかった。役者さんってすごい。
特に大きな出来事が起こるわけではなく、割と淡々と日常を描く系の映画。
と言い切ってしまうのは、ちょっと違うような、そんな映画。
夫氏はこういうの絶対興味ないだろうなあ、と思いつつ、
一人で映画館へ来れることへの感謝を募らせる。
個人的には、長井短さんが出演されていたことが嬉しかった。
とある舞台で長井さんを観てから、気になってこっそりと応援しているのだ。
映像美、と言ってしまえばそうなのかもしれないが、
そこにはしっかり詩情が込められている。
映像ならではの表現にハッとさせられたり、カメラワークから色々なことを読み取ったり。
最近の説明過多のテレビやアニメにはちょっと抵抗を感じていたので、
こういう表現の作品と出会えて、心がすこし落ち着いたように感じた。
昔はそれこそ単館系の映画を結構観に行っていて、そういう世界に強く惹かれていた。
あの頃の空気の流れを再び自分に取り込んだような、そんな感覚になった映画だった。
今年は俳句だけではなく、映画も小説も漫画も音楽も、興味のあるものないもの、何でも積極的に触れ合っていきたい。
結局それはすべて自分に、俳句に還ってくると思うので。
なんて、そんな難しいこと考えないで、ただただ楽しんで感じていきたいですね。
笠原小百合 記