俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

「句具ネプリ -冬至-」好きな句【1】

「句具ネプリ -冬至-」の特に好きな句への感想です。

座布団は人の大きさ石蕗の花  有本仁政

「ああ、たしかにそうだ」と納得。助詞「は」がやさしく響きます。
座布団の大きさに加えて、その厚みも見えてくるよう。
「石蕗の花」の明るさが句全体のあたたかさを増幅させます。

 

冬麗に鳥語を訳す遊びかな  鈴木トモオ

「遊び」なので本当に「鳥語」を理解して訳しているわけではないのでしょう。
鳥の気持になって、鳥の鳴くのを聞いている。もしくはそれに答えている。
まばゆい「冬麗」の中、どこか物語めいた景にも思えてきます。

 

宝箱どんどん開けて冬の星  さざなみ葉

中七「どんどん開けて」が楽しく、わくわくします。
楽しくて嬉しくて、気づいたら「冬の星」も空にたくさん輝いていた。
景としては「冬銀河」をイメージしましたが、「冬の星」というぬくもりを感じられる季語が句に合っていて好きです。

 

笠原小百合 記