俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

季語レース紹介【4】「すみれステークス」

俳句に欠かせない、季語。

春であれば「春めく」「春ショール」「雛祭」などが季語の一例として挙げられます。

 

この連載では競馬大好き俳人である筆者が、季語の使われている競馬のレース「季語レース」をご紹介していきます。

 

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今週取り上げる季語レースは、すみれステークスです!

 

 

すみれステークスとは

すみれステークスは3歳のオープン特別競走で、リステッド競走に指定されています。

コースは阪神競馬場、芝2200m。

クラシックの大舞台へと繋がるレースとして毎年注目されます。

 

季語:菫

すみれステークスの由来である「菫」は春の植物の季語です。

スミレ科スミレ属の多年草で、変種まで含めると日本には200種以上あるらしく傍題も多いです。

紫色の可憐な花をイメージされる方が多いかもしれませんが、白や黄色などの花を咲かせるものもあります。

阪神競馬場のある兵庫県宝塚市の市花としても知られています。

 

すみれそよぐ生後0日目の寝息 神野紗希 

次に、「菫」の句をご紹介します。

すみれそよぐ生後0日目の寝息〉という神野紗希さんの句です。

生まれたての赤子の寝息と「すみれそよぐ」ほどの微風。

この2つがリンクして、穏やかでやわらかなやさしい世界が広がっています。

実はこの句、神野さんが出産を終え、まだ手術台の上にいるときに詠まれたそうです。

その心意気、本当に見習わねばと思います。

句から感じるやさしい世界はその実、俳人根性が支えている──。

そんなことにまで思いを馳せると、生命の逞しさも改めて強く感じられます。

 

過去の優勝馬キングカメハメハ

すみれステークス過去の優勝馬の中からキングカメハメハについて書きます。

 

キングカメハメハは2004年のダービー馬ですが、その年はプライベートで色々とありまして。

正直競馬どころではなかったので、実は競走馬時代の印象がないに等しいのです。

そんなどん底まで落ちたわたしを救ってくれたのもまた競馬だったのですが……その話は今回は置いておくとして。

そういう事情もあり、キングカメハメハは競走馬としてよりも種牡馬としてのイメージがわたしは強いです。

 

実際、あっという間に引退してしまったんですよね。

それでも「NHKマイル→東京優駿」の連勝は記憶にあります。

本当になんだか一瞬の嵐のような強さを見せつけてくれた馬でした。

 

種牡馬になってからは数多の名馬を輩出しています。

わたしがキングカメハメハ産駒で一番好きなのはローズキングダムです。

というのも母ローズバドが大好きだからという理由なので、キングカメハメハだから応援していたわけではないのですが……。

そういった意味では、純粋にキングカメハメハ産駒として好きなのはヤマカツエースベルシャザールになるのかもしれません。

本来であればロードカナロアあたりを挙げるべきなのかもしれませんが、ロードカナロアロードカナロアという地位を確立しているので、わたしとしてはもう別枠のイメージです。

 

そして、種牡馬引退後。

功労馬としてのんびり余生を過ごして欲しいと思っていた矢先の訃報に驚きました。

まるで自分の役目を理解していたかのような……そう思ってしまうくらいのタイミングでした。

キングカメハメハはもうこの世にはいませんが、キングカメハメハの血はこれからも日本競馬を盛り上げていってくれると思います。

自身の活躍だけでなく後世への希望も繋いだキングカメハメハは、本当に偉大な馬です。

 

2021年すみれステークス注目馬

今年のすみれステークスディープモンスターに注目しています。

名前からしていかにも強そうですし、実際強いと思います。

父は名馬ディープインパクト

母シスタリーラヴはアメリカの馬でダート重賞を2勝しています。

距離も向いていると思いますし、あとは気性面でどこまで成長したかが鍵ではないでしょうか。

青鹿毛の馬体が惚れ惚れするほど格好良いので、パドックでも注目したいです。

 

笠原小百合 記