俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

鱗読書会 昼の部

荻窪駅近くの屋根裏バル鱗kokeraさんにて毎月開催されている読書会。

わたしは昼の部のレギュラーメンバーとして参加しています。

今月の課題本は 坪内稔典小西昭夫編『子規百句』(創風社出版)でした。

 

『子規百句』は坪内稔典さんが選んだ百句が様々な俳人の解説つきで掲載されています。

参加者は一冊読み終えた上で 十句選うち一句特選 を選びました。

わたしの『子規百句』十句選は以下の通りです。

 

 白牡丹ある夜の月に崩れけり(特選)

 秋風や大蛇野道に横たはる

 冬川や菜屑流るる村はづれ

 六月を奇麗な風の吹くことよ

 行列の葵の橋にかかりけり

 牛部屋に露草咲きぬ牛の留守

 漱石が来て虚子が来て大三十日

 野道行けばげんげんの束すててある

 秋の雨荷物ぬらすな風引くな

 テーブルを庭に据ゑたり草の花

 

ただ本を読むだけではなく、自分で選を行うことで見えてくることがあり、とても良い機会となりました。

他の参加者の選も興味深く拝聴し、意見交換を深く行うことでより鮮明に子規の句がくっきりと感じられました。

句が躰に沁み込んでいくような不思議な感覚。

一人では見えてこなかったことも色々見ることが出来て、読書会の良さを改めて実感しました。

 

鱗読書会の雰囲気もとても好きです。

ゆるゆると普段の会話の延長上にあるような、穏やかな空間。

「鱗」という場所と参加者のみなさまのあたたかさが、そんな居心地の良さ作り上げているのだと思います。

 

来月は12月15日(金)に行われます。

課題本は岩田奎『膚』です。

大好きな句集なので、どんな意見や感想が出てくるのか今からとても楽しみにしています。

 

(栃木県鹿沼市粟野にある医王寺に咲いていた八手の花。医王寺はAWANO ART FESTIVAL の会場でもあります)

 

小百合