俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

吉田哲二さん第一句集『髪刈る椅子』刊行PARTY

ぐっと涼しくなってきた9月23日土曜日。

吉田哲二さん第一句集『髪刈る椅子』の刊行記念PARTYに参加しました。

 

furansudo.ocnk.net

 

私は結社の毎月の吟行である探勝の会(目黒不動周辺、嘱目10句)が終わってから、

30分ほど遅れての参加となりました。

マンハッタン句会、若手句会の面々が揃い、荻窪の鱗は満席状態に……!

改めて、哲二さんの人望の厚さを実感しました。

 

出席者は『髪刈る椅子』より事前に一人五句を選んでおり、

その投票結果も発表され、大いに盛り上がりました。

哲二さんからのご挨拶もとても哲二さんらしく、賑やかであたたかなパーティーとなりました。

 

以下、吉田哲二句集『髪刈る椅子』より私が特に好きな15句です。

 

こはごはとよその子叱る良寛

滝見茶屋柱の裏の濡れにけり

永き日やマネキンの足やや浮きて

子放てばたちまち駆けて飛花落花

幾たびも手に移しやる雨蛙

バス停の灯にもたれたる夜学生

父よりも上手くなるなよ喧嘩独楽

捨てられず壺焼の壺持ち歩く

夏逝くや最後の薪を投げ入れて

常連とならぬ気安さ帰り花

兄であることに子は泣き蒲団干す

がらくたを少し片寄せ橇しまふ

毒茸にもつとも人の集まれる

花種を蒔く種の色みなひといろ

滝見ゆる場所をみつけてより憩ふ

 

 

自身の発見を軽さをもって詠まれている印象を持ちました。

発見したことを「見て!」と押し付けるのではなく、

そっと共有してくれる、耳打ちして教えてくれるような。

やさしさと穏やかさの溢れる句集でした。

そして、ご家族を詠まれた句もたくさんあり、素晴らしいと思いました。

俳句と家庭とのバランスを取りながらの生活は、きっと充実したものなのでしょう。

私は俳句に偏りがちなので、そういった点も学ばせていただきました。

 

改めまして。

哲二さん、句集刊行おめでとうございます!

 

楽しすぎて終電を逃したのも、よい思い出となりました。

始発電車って、あんなに混雑しているものだとは思いませんでした……。

 

(装丁もすごく好き。グリーンの色合いが良い!)

 

小百合