俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

俳句×短編小説プロジェクト『周辺の物語』を読みました

先日、子連れ句会でご一緒させていただいている三倉十月さんのネプリをコンビニにてプリントしました。

 

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『周辺の物語』というタイトルです。

掲句を直接のモチーフとしない、俳句×短編小説プロジェクト。

ということで、俳句から得たインスピレーションから生まれた新たな物語を小説にされたネプリとなっています。

今回プリントしたのはその記念すべき第一号!

「またたき」という題がつけられたその物語は一見、掲句とは無関係なお話のようにも思えます。

しかし、物語の根底にある世界観のようなものは、たしかに掲句を彷彿とさせるのだから不思議です。

ちなみに今回の俳句は、こちらの句でした。

 

遠火事の夜のたましひのおきどころ  箱森裕美

 

俳句からも小説からも、遠く燃え盛る炎をわたしは感じました。

共通認識としての「遠火事」という季語が、ふたつの作品の舞台のBGMのように機能しているように思いました。

 

十月さんの小説の完成度の高さにも感動しました。

俳句から受け取ったイメージを自身の中で咀嚼して、更に別の作品として昇華させる。

これはなかなか出来ることではないと思います。

もっとたくさん十月さんの作品を拝読してみたくなりました。

次号は2月に発行予定とのことなので、楽しみに待ちたいと思います。

 

笠原小百合 記