俳句とみる夢

笠原小百合の俳句な日々。

俳句総合誌の特集との向き合い方

角川俳句2月号の大特集「省略」を読んだ。

 

「切れ」とか「写生」とか「省略」とか。

この手の内容は繰り返し特集されており、句歴が長くなってくるにつれて「ああ、またか」と思ってしまうこともあるだろう。

しかし、だからと言って全く読まないというのは勿体ないと私は思う。

自分はわかっていると思っていることであっても、改めて他者の解説を読むことで、また違った感覚を掴めることがある。

大きな新しい発見は、正直なところ、ないかもしれない。

けれど、小さな気づきは得られるはずだ。

自分と同じようなことを考えている俳人がいて、この人はこんな言葉で考え、表現するのか、と。

特集内容をこのような切り口で語ると、こういう意見が出てくるのか、と。

その小さな気づきの積み重ねを大切にしていきたいと個人的には思っている。

 

ある種の確認作業に近いかもしれない。

地味で、実に気の遠くなるような作業かもしれない。

しかし、誰もが驚くような大発見が、長い歴史を持つ俳句という文学の中で今後登場するとはあまり思えない。

「小さな発見」

「少しの見方のずらし方」

俳句とは、そのようなことこそが大切な文芸なのではないかなと思うのだ。

 

些末なこと、と打ち捨てずに、忍耐強く向き合っていく。

その先に、開けて見えてくる景色があるはずだと、信じている。

今後の評論執筆に向けての自分への文章として、この記事を残す。

 

追記。

結社のブログにもちょこっと意見を書いてみた。

ご興味ある方はこちらからどうぞ。

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小百合 記